
小児歯科・小児矯正
乳歯のケア
乳歯の生え始めは生後6ヶ月頃で、2歳半~3歳までの間には全ての 乳歯が生えそろいます。
「乳歯はそのうち永久歯に生えかわるからむし歯になっても大丈夫」と誤解をされていませんか?
むし歯になった乳歯をそのままにしていると、口腔内に菌が残ったままになるため、その後に生えてくる永久歯もむし歯になりやすくなり、歯並びにも影響が出ます。
小児期には子供の歯から大人の歯へと生えかわりがあり、食習慣にも大きな変化があります。小児の時から適した予防をすることで、大人になってからもむし歯ゼロを維持することができます。
乳歯がむし歯になってしまったら早期に治療し、永久歯とその後の口腔内を守ることをおすすめします。

初めてお子様をお連れになる保護者の方へ
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ご予約はなるべく午前中をお取りください。お昼過ぎになると眠くなってしまわれるお子様が多く、ご機嫌を損ねて診療がスムーズでなくなる場合があります。
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朝は起床時間や朝食など、できるだけいつものように過ごして下さい。
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動きやすい服装をさせてあげてください。特に冬は首元を締め付けない、温度調節がしやすい重ね着にしてあげてください。
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来院される前に「痛くないからね」などは絶対に言わないようにしてください。 そのかわり、がんばった治療の後はたくさん褒めてあげてください。
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緊急の場合を除いて、嫌がったり、怖がったりするお子様に無理やり治療はいたしません。
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当医院では、性格や成長にあわせてできるだけお子様の気持ちを大切にした治療をいたします。
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もし、お子様のお口のことで少しでもご心配事があれば、お気軽にご相談ください。
乳歯と幼若永久歯のむし歯予防
フッ素塗布
むし歯予防方法の代表であるフッ素塗布では、歯が生えている方であれば、どなたでも予防の効果が見込めます。
むし歯は菌が出す酸などによって、歯の表面にあるエナメル質のカルシウムやリンが少しずつ溶け出して起こります。
通常は、唾液が溶けてしまったエナメル質を元に戻す働き(再石灰化)をします。この再石灰化を促進させるのがフッ素です。再石灰化が促進されることで、酸に強く硬い組織を作ることができます。
健全な歯を強化し、むし歯から歯を守りましょう。

シーラント
シーラントとは、奥歯の溝の部分にフッ素配合のレジンを詰めることで、歯の溝に汚れが溜まってむし歯になるのを防ぐ処置です。
この処置のメリットは、処置を行う際に歯を削る必要がなく、微量ですがシーラントの素材からもフッ素が放出されるため、二重にむし歯を防止できることです。
シーラントを行うタイミングは、奥の永久歯が生え始めた時が目安になります。生えたばかりの永久歯は歯質が未完成で、背が低く磨きにくいため、初期むし歯になりやすいという特徴があります。

小児口腔機能管理
常にお口がポカンと開いたまま
“さしすせそ”が
発音できない
爪を噛む癖が
治らない
お子様に、上記のような症状は見られませんか?
歯並びや咬み合わせ、顎の骨格は、お口の周囲の筋肉がいかに機能するかで変わってきます。つまり、口の周りの筋肉がきちんと機能しなければ不正咬合(歯並びや咬み合わせの悪い状態)を引き起こし、お顔の形にまで影響を及ぼしてくる可能性があります。
矯正治療で歯並びを整えることはもちろん可能ですが、筋肉がきちんと機能していないままだと、また歯並びが崩れてしまうことになりかねません。
『小児口腔機能管理』においては15歳未満のお子様を対象に、口の周囲の筋肉を正常に機能させる訓練である「筋機能療法(MFT)」を行ったり、発音や永久歯の歯並びに影響する舌のトレーニング、お口ポカンを改善するトレーニングを行ったりして、保険内で定期的に評価をしながら管理します。
お子様のお口の成長に合わせてしっかりと「話す」「食べる」という正常な機能の獲得はもちろん、正常な咬み合わせ、生えかわりを支援いたします。
『筋機能療法(MFT)』の目的
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「噛む」、「飲み込む」、「発音する」、「鼻呼吸をする」を正常に行えるようにする
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舌の筋肉を強くする
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頬や唇など、口周りの筋肉の筋力強化
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正しい舌の場所や唇の状態を保ち、日常生活の中で習慣づける
小児矯正
成長過程にある子供の歯や顎の骨はやわらかくコントロールがしやすいため、 大人と比べて比較的スムーズに早く治療を終えることができます。なるべく歯を抜かずに治療できる時期を考えると低年齢から治療を始めることがベストです。
それぞれのケースによりますが、3歳くらいから矯正治療は可能です。歯の生えかわり状況などの個人差によって処置が異なるため、まずはしっかりとカウンセリングを行い、治療計画を立てることが重要です。
見た目を直すだけのものではありません
■むし歯の予防
不ぞろいな歯並びは歯磨きをしても、綺麗な歯並びと比較すると、どうしても磨き残しが多くなります。 矯正治療を行い、磨き残しを減らすことでむし歯のリスクを少なくする事ができます。
■消化器官への影響
咬み合わせが正しくなると、片側だけで噛んで歯が不自然にすり減ったり、片方のあごだけが成長してしまうというようなこともなくなります。食べ物を正しくしっかり噛めるようになれば、消化器官への負担も軽くなります。

小児矯正治療の症例
症例1
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主訴 ガタガタを治したい
診断名 Angle Class I 叢生(乱ぐい歯)
初期時年齢 8歳4ヶ月
治療期間 2年2ヶ月
装置名 マルチブラケット装置
抜歯非抜歯 なし
費用目安 Ⅰ期治療 275,000円(税込)
リスク副作用 歯の移動に伴う軽微な歯根吸収、歯槽骨吸収、歯肉退縮、矯正器具装着中のカリエスリスク増大



症例2
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主訴 受け口を治したい
診断名 Angle Class I 反対咬合
初期時年齢 5歳3ヶ月
治療期間 2年5ヶ月
装置名 床装置
抜歯非抜歯 なし
費用目安 Ⅰ期治療 275,000円(税込)
リスク副作用 歯の移動に伴う軽微な歯根吸収、歯槽骨吸収、歯肉退縮、矯正器具装着中のカリエスリスク増大



症例3
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主訴 受け口を治したい
診断名 Angle Class I 反対咬合
初期時年齢 7歳6ヶ月
治療期間 2年7ヶ月
装置名 床装置
抜歯非抜歯 なし
費用目安 Ⅰ期治療 275,000円(税込)
リスク副作用 歯の移動に伴う軽微な歯根吸収、歯槽骨吸収、歯肉退縮、矯正器具装着中のカリエスリスク増大




小児用マウスピース矯正
インビザラインファーストは、混合歯列期(乳歯と永久歯の交換期)にある小児向けのマウスピース型矯正装置です。
小児矯正には、「第1期治療」と「第2期治療」があり、顎の成長や歯並びによって治療が分かれます。
1期治療は乳歯と永久歯が混在する“混合歯列期”に行う、永久歯が綺麗に生えるように顎の成長やバランスをコントロールする治療です。2期治療は永久歯が生えそろった後に行う治療です。
インビザラインは、これまで主に永久歯が生え揃う時期の矯正治療(第2期治療)で使用されていましたが、 技術進歩により、乳歯と永久歯が混在する時期(6〜11歳)の矯正治療(第1期治療)からの使用が可能になりました。

インビザライン・ファーストの適用条件
① 第一大臼歯を有し、切歯(乳歯または永久歯)の少なくとも2歯は2/3以上萌出していること。
② 少なくとも3/4顎に乳歯( C,D,E)または未萌出の永久歯(3,4,5)を2歯以上有していること。
インビザライン・ファーストのメリット
01
乳歯と永久歯が混在する成長過程でも可能
インビザラインファーストを使用した成長過程にある子どもの矯正治療では、顎の骨の成長をうまく利用し、上顎と下顎の前後の位置関係の改善を図ったり、永久歯が生えかわるスペースを作ったりして、きれいな歯並びにする土壌をつくります。この矯正治療の後に、もし矯正が必要になったとしても、抜歯をせずに矯正治療を行える可能性が高くなります。 また、永久歯が生え揃った後の治療をスムーズに行うことができます。

02
取り外しが可能
お子様ご自身の手で取り外しができるため、治療期間中も普段通りに食事ができます。また、通常の歯磨きができるため、口腔内を清潔に保つことができ、むし歯や歯周病の予防ができます。

03
指しゃぶりや舌の突出癖などの習慣を改善させることができる
小児期に起こる指しゃぶりや舌突出癖は歯列不正の主要な原因のひとつです。原因を取り除くことで、歯並びの悪化を防ぐことができます。

インビザライン・ファーストのデメリット
01
永久歯が生えてくると型の取り直しが必要になる
子供の歯が抜けて、大人の歯が萌出してくると、今まで使用した装置が入らなくなる可能性があります。そうなった場合は新しくスキャン、型の取り直しが必要になります。
02
歯に何もつかないわけではない
インビザライン治療では多くの場合”アタッチメント”と呼ばれるプラスチックを歯に貼り付けます。 何もつけないことを選ぶことはできますが、計画していた歯の動きができなくなる可能性があります。
03
1日20時間以上装着しなくてはならない
インビザラインのアライナーは、1日20時間の装着が必要です。アライナー1個につき歯を最大0.25mm程度動かしますが、2時間~4時間程度アライナーを外していると元に戻ってしまう可能性があります。 そのため、お子様だけで管理するのは難しく、親御様による協力が大事になってきます。
床矯正

床矯正[しょうきょうせい]は、取り外しのできる矯正装置の1つです。
子どもの混合歯列期の不正咬合の処置によく用いられる、顎を広げる歯列矯正です。永久歯列の場合は補助的矯正装置や後戻りを防ぐ装置として用います。
矯正期間中でも取り外して食事や歯磨きがしやすいため、お子様への負担も少なくすみます。